今月のヒント: より精度の高いリアルタイムPCR用の白色チューブ
再現性のさらなる向上 – 高感度 – クロストーク防止
リアルタイムPCR (qPCR)等の蛍光性を応用したアプリケーション‐特に微量アプリケーションの場合には、反射 特性を向上させる白色PCR製品の使用が推奨されています。にもかかわらず、qPCRを透明なチューブが使われる のが一般的でした。qPCRを改善する方法をご紹介します
白色チューブを利用することで再現性に得られる効果を教えてください?
白色タイプは蛍光反射性が向上します。一つには蛍光ライトがウェルの壁を通して損失しないこと、もう一つのメ リットは、検出器に到達する蛍光量が透明製品と比べて一定しています。よってデュプリケイト、トリプリケイト の検出や複数回の実験においても分散することが減ります。
信号/バックグラウンド比が改善するのはなぜですか?
白色PCR製品は蛍光レベルが格段に高く、使用される蛍光物質の一貫したバックグラウンド効果も加わって、白い PCRチューブ内で検出されるシグナル/バックグラウンド比が改善します。
ウェル間の「クロストーク」を防止できますか?
透明のチューブを使用すると、蛍光分散により隣接ウェルで蛍光が検出されることがあります。白色PCR製品の場 合は不透光性の材質を使用しているので、サーモサイクラーの蛍光検出器が隣接ウェルの蛍光シグナルを検出しません。
白いタイプのPCR製品を使用するとPCRの感度はどのように変化しますか?
下記はqPCR実験を取り上げた説明です。図1に示す検査結果からわかる通り、測定した蛍光強度は同じ鋳型数の場合、白いタイプの製品のほうが透明の製品よりはるかに高くなります。図1では透明、または白色PCRストリッ プはサーマルサイクラーによって自動的に閾値に達しています。透明タイプの1,000個の分子鋳型検出においては 平均Cq値(n = 8) 24.87±0.08、白いタイプではCq値23.40±0.07を得ました。これは白いタイプのほうが速く 検出できることを表しています。このことから、微量のサンプルしかない場合には特に有益であることがわかります。従って白いタイプの製品を使用することで、透明タイプでは不可能であった検出が可能になります
白色と透明の蛍光特性比較